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パワハラを訴えれば必ず勝つのか?訴える際のポイントや注意点を解説

更新日:2024年01月30日
パワハラを訴えれば必ず勝つのか?訴える際のポイントや注意点を解説のアイキャッチ

パワハラとは、上司や経営者が持つ権力を悪用して、従業員や部下に精神的や身体的苦痛を与えるハラスメント行為のこと。
業務上必要な叱責や注意の範囲をはるかに超えて、相手の権利侵害をするレベルであれば、それは立派なパワハラ行為です。

被害を受けた側からしたら、訴えることですぐに解決するものと思われるかもしれません。

しかし残念ながら「パワハラは訴えれば必ず勝つ」というわけではないのです。

今回は、パワハラを訴える際のポイントや注意点を解説します。

知っておきたいパワハラに対する誤解

冒頭でもお伝えしたように、パワハラで訴えても必ず勝つわけではません。
近年では、パワハラという言葉が一般的に使われるようになり「訴えれば勝つんだよね?」と誤解されることがあります。

では、パワハラを訴えれば勝つと思われるようになった理由は、次に紹介する背景が影響しています。

2020年に施行されたパワハラ防止法が影響している

一つは、2020年に施行されたパワハラ防止法による影響です。
パワハラ防止措置が法律によって企業に義務付けられたことで、「パワハラは断じて許されるものではない」という認識が広まりました。

この結果として、パワハラという言葉を出せば被害者は必ず勝つだろうというイメージが根付いたのです。

インターネット上でパワハラに関する情報が独り歩き状態

インターネットが普及した昨今では、SNSやブログを通して個人でもパワハラの情報を発信したり入手したりできるようになりました。

実際に訴えて勝訴した人の体験談を発信している人も多く、そうした記事を読めば「自分もパワハラを受けた際に訴えれば勝つ」という思い込みが生まれやすくなるでしょう。

インターネットは便利な分、こうした思い込みを生み出しやすいという要素を持ち合わせているのです。

パワハラというワードを出せば解決するという誤解

上司から叱責を受けた際に、「これはパワハラだ!」と伝えればパワハラが認められると誤解しているケースも考えられます。

しかし、パワハラという言葉を出しても、客観的に見てパワハラと判断されなければ立証は難しいでしょう。

業務として必要な叱責だと認められれば、パワハラと判断されません。

反対に、客観的に見て明らかにパワハラとされる状況であっても、認められないケースもあるため注意が必要です。

パワハラを訴えて解決するために注意したいこと

パワハラを受けた被害者にとっては、訴えて解決したいのは当然のことです。

とはいえ、訴えれば必ず勝つわけではないというのが実情。では、パワハラを解決するためには、どういうところに注意すればいいのか解説します。

訴える際はある程度のお金が必要になることを理解しよう

大前提として、パワハラを訴えるには「訴訟費用」として一定のお金が必要です。
弁護士を雇うのであれば、弁護士費用もかかります。

勝訴すれば慰謝料を請求できて、かかった費用はプラマイゼロになるかもしれません。しかし、敗訴すれば戻ってくるお金はないでしょう。

その場の勢いで訴えるのではなく、勝つための要素を準備しておく必要があります。

パワハラを訴えて勝つための要素とは?

確実に勝てるとは言い切れませんが、パワハラを訴えるには被害を受けた客観的な証拠が求められます。

しかし、パワハラの現場をおさえた証拠を持っているという方は少ないものです。具体的な証拠を保有していない場合は、専門家に相談して証拠収集のアドバイスを受けることをおすすめします。

意外とかかる訴訟期間

パワハラで訴えて解決するまでは、多くの時間を要します。大体、数ヶ月から1年前後かかる可能性があるでしょう。

長期間にわたってトラブルと向き合う必要があるので、訴える側にのしかかる精神的負担は大きいものです。
こうした点を考慮して、訴えるかどうかを慎重に検討することをおすすめします。

負ける場合もある

先にも伝えましたが、パワハラで訴えたとしても敗訴する可能性もあります。
必ず勝つという保証はないのですが、訴えると決めているのでばれ確実な証拠を持って挑む必要があるでしょう。

パワハラ被害を受けたらまずすべきこと

パワハラ被害を受けたら訴えるという手段もありますが、まずは次の方法で進めてみるのも有効です。

パワハラ加害者にやめて欲しいと伝える

パワハラ加害者にやめて欲しいと伝えてみましょう。
パワハラを行っている人の中には、自分の行為がパワハラに当たると理解していない人もいます。

勇気のいる行動ですが、この方法はパワハラ行為の証拠にもなるかもしれません。
「やめてほしい」と加害者に伝えたときに、激怒されたり暴言を吐かれたりする場合、その様子を録音しておけばパワハラを認めた証拠になる可能性があります。

あらかじめ、録音する準備をしておきましょう。

会社の窓口に相談してみる

会社の窓口に相談するのも、解決への第一歩です。
企業にはパワハラ防止法が義務づけられているため、従業員からパワハラの相談があれば、会社側は実態調査をし対応をしなければなりません。

会社側でパワハラを解決してくれるのであれば、訴訟を起こす必要がなくなるでしょう。
社内窓口か総務に相談してみることをおすすめします。

パワハラで訴えられた加害者はどうなるのか?

最後に、パワハラで訴えられたら加害者はどうなるのか解説します。

ペナルティが課される可能性がある

パワハラが認められた場合は、加害者は減給や出勤停止など、ペナルティが課されることがあります。処分の内容は会社によって異なりますが、解雇になる可能性もあるでしょう。
それだけ、パワハラの罪は重いものと考えられています。

慰謝料請求されることもある

パワハラ被害に対する慰謝料請求をされる可能性もあります。
慰謝料請求の金額は、被害内容や被害者の状態によって変わってくるでしょう。

もし、被害者に後遺症が残ってしまった場合、慰謝料が高額になるケースがあります。

刑事罰に処される可能性も

パワハラの内容が暴行や傷害、権利侵害に当たる場合、刑事罰に処される可能性があります。

パワハラによって成立し得る刑事罰は、以下のようなものがあります。

  • 暴行罪文字
  • 傷害罪
  • 名誉毀損罪
  • 侮辱罪

刑事罰に該当するかどうかは、法律の知識を要します。判断に迷ったら、専門家の助けを借りることをおすすめします。

まとめ:パワハラに関して心配ごとがあれば弁護士へ相談しよう

パワハラは訴えればいいというわけではありません。
その場の勢いで訴訟に踏み切るのだけは避け、ご自身にとってベストな方法で解決を図るようにしてください。
パワハラを早期解決するには、法律のプロである弁護士へ相談することもおすすめします。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。

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編集部

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