社内恋愛禁止の会社で恋愛をしてしまったら解雇になるの？

社内恋愛を禁止する会社は少なくありません。とはいえ、好きになってしまった相手が社内の人である場合、会社のルールがあるからという理由で諦めるなんて悔しいですよね。

では、社内恋愛禁止の掟を破って社内の人と付き合った場合、それが会社にバレたら解雇になってしまうのでしょうか？

本記事では「社内恋愛が発覚した際にどんな対処がなされるのか？」に焦点を当て、会社が社内恋愛を禁止する理由や懲戒解雇になってしまう事例について解説します。

そもそもなぜ社内恋愛禁止というルールがあるの？

社内恋愛を禁止している会社は、意外と多いものです。

会社が社内恋愛を禁止する主な理由は、企業秩序を保ちたいというニーズが考えられます。

企業が経営する目的は、一般的に事業拡大や売上アップでしょう。

社内恋愛が盛んになってしまうと、カップルに対して周囲が気を遣ってしまったり、別れてしまった場合に業務に支障が出てしまったりと、さまざまな不都合が生じやすくなると考えられます。

上司と部下の恋愛においては、査定を優遇してしまったり経営上の極秘事項が漏れやすくなったりと、会社経営に影響が出やすくなってしまいます。

恋愛以外にも、別れた相手への未練からストーカー行為に発展してしまうという事件も起こりかねません。

こうなると、会社としては最初から社内恋愛禁止を掲げておいた方が安全だと考えてしまいます。

社内恋愛禁止！というルールは、単純に従業員への嫌がらせではないということが分かりますね。

社内恋愛が発覚したら解雇になるの？

では、社内恋愛禁止の会社で恋愛が発覚してしまった場合、解雇になってしまうのでしょうか？

答えは、社内恋愛がバレた！＝即解雇になることは基本的にありません。

仮に、就業規則上で懲戒処分を下せると記載されていても、それだけでは解雇することができないことになっています。

懲戒処分が有効になるには、従業員の行為が懲戒事由に当てはまり、処分の理由が社会通念上妥当であると判断されるケースです。

社内恋愛が発覚したからといって、懲戒処分になるというのはあまり合理的ではないと判断されるでしょう。

ただ、企業秩序の維持や男女トラブルによる法的トラブルを回避するために、会社は就業規則に「社内恋愛禁止！」と掲げても問題ないとされています。

社内恋愛が発覚したら懲戒処分以外にどんな対応を迫られるの？

即解雇とならないにしても、会社は社内恋愛が発覚した際に何らかの対応を行う可能性があります。

まず、部署異動が挙げられます。

規模が大きな会社であれば、部署移動をすれば2人を物理的に引き離すことができます。
しかし、部署異動をする際は「社内恋愛をしているから」という理由だけでは行えません。

では、どういう理由で異動できるかというと「社内で明らかにベタベタしていて業務がストップしてしまっている」「職場でプライベートな内容の喧嘩をしている」等が挙げられます。

こうした状況は、業務に支障が出てしまうと予想できるので、会社は部署異動や配置転換がしやすくなります。

社内恋愛が発覚して解雇になってしまうことはあるの？

基本的に、社内恋愛がバレても解雇になることはありません。
しかし、中には社内恋愛がそのまま解雇につながるケースもあります。

それは、社内恋愛によって会社の損失を招いてしまったと立証できる場合です。

たとえば、喧嘩別れを機に生産性が一気に落ち、会社の評価が下がってしまったり、極秘事項が漏れて社内や社外に広まってしまったりというケースです。

会社の不利益を生み出してしまったと立証できる場合は、会社は処分を検討する可能性が高くなるでしょう。

まとめ：男女トラブルや職場トラブルで悩んだら弁護士への相談を視野に

恋愛は自由です。しかし、社内恋愛をきっかけに会社に悪影響を与えてしまうと、処分の対象になる可能性があります。

また、相手によっては別れたあとのトラブルに発展するおそれもあるでしょう。トラブルの内容によっては、法的リスクを伴うことも考えられます。

男女トラブルや職場でのトラブルを一人で解決できない場合は、法律の専門家である弁護士に相談してみることもおすすめです。

弁護士に相談する前に、弁護士費用が不安な方はベンナビ弁護士保険の利用を視野に入れてみましょう。