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早出残業をしたら残業手当になる?割増賃金はどれくらい?

更新日:2024年01月29日
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仕事を早く終わらせるために、始業前に会社へ行って仕事をスタートしようという方は多いでしょう。

このような早出残業の場合、残業手当として含まれるのでしょうか?
通常、残業と聞くと就業後のイメージが強いのですが、朝早くから仕事をした場合はどのような扱いなのか気になりますよね。

本記事では、始業前の早出残業は残業手当の対象になるのか解説します。

早出残業は残業手当の対象になる!

先に結論から申し上げますと、始業前の仕事は残業代の支給対象です。
これは、就業後であっても同じことがいえます。

残業代の対象になることを理解するために、まずは労働時間の定義について学んでいきましょう。

知っておきたい労働時間の定義

始業前であっても就業後であっても、残業手当の対象になるかどうかは「労働時間」に該当するかを理解する必要があります。

厚生労働省では、労働時間を次のように定めています。

労働者が使用者の指揮命令下におかれている期間

引用: 厚生労働省

労働時間は、会社から出された指示で労働をしているかどうかで決まるということが分かります。

会社から指示を受けて残業をしているのであれば、それがどの時間帯であろうと労働時間になるのです。

休憩時間に電話を受けた場合はどうなる?

残業とは少し異なりますが、休憩時間に電話や来客の対応をして休めなかった場合はどうなるのでしょうか。

結論、休憩中の電話や来客の対応は必要な業務であるため労働時間となります。

そもそも、労働によって休憩時間がなくなってしまった場合、会社は別で休憩時間を与えなければなりません。

さらに、電話当番として席について電話を待つ行為に関しても、電話がかかってくるかどうかに関係なく労働時間としてカウントされなければなりません。

残業に含まれるからといって残業しすぎはNG?

早出残業は残業手当の対象になるからといっても、働きすぎはNGです。

日本では、「週に40時間・1日に8時間」という法定労働時間が定められています。
これを超えてしまうと、会社は6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が課される可能性があります。

とはいえ、残業代が多くて懲役刑に処されたという会社は少ないもの。

実は、労働基準法には会社と労働者の間で「法定労働時間を超えた労働をしても大丈夫ですか?大丈夫ですよ」という協定を結べるようになっています。

これをサブロク協定と呼びます。

サブロク協定を締結することで、会社は労働者に対して法定労働時間を超えて働かせても問題ないことになっているのです。

残業代は必ずしも割増賃金ではない

早出残業をした場合、「時間外業務なんだからたくさんの賃金がもらえるのでは?」と思われるかもしれませんが、必ずしもたくさんもらえるとは限りません。

割増率には以下の条件があります。

深夜以外 深夜時間(22時から翌朝5時)
時間外 25% 50%
休日 35% 60%

ここで注意したいのが、時間外に該当するのは法定労働時間を超えた場合に限るということです。
1日の法定労働時間は8時間なので、1日7時間勤務の人が1時間余分に働いても割増の残業代を請求することはできません。

しかし、週で考えると話が変わります。
1日7時間を週に6日間働いた場合は週42時間という計算になります。週の法定労働時間は40時間なので、2時間分の残業代が適用になります。

休日になると、さらに複雑になります。

労働基準法では、週に1日休める日があればいいとされています。
土日を休日とする会社で両日とも働いたとしても、どちらかしか割増賃金の対象になりません。

休日出勤の残業代は勘違いされやすいため、理解しておくようにしましょう。

まとめ:残業代に関する法的トラブルで悩んだら弁護士への相談を視野に

早出残業は、残業代の対象になります。
しかし、残業代を申請しても却下されてしまったり、適切な賃金で支払われないというトラブルは少なくありません。

こうしたトラブルはストレスのもとになってしまうので、どうしても悩んだら労働問題に詳しい弁護士に相談してみてもいいでしょう。

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