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未払い分の給料を請求するときの内容証明の書き方を解説

更新日:2024年01月30日
未払い分の給料を請求するときの内容証明の書き方を解説のアイキャッチ

給料をきちんと受け取ることは、生活をしていくうえで非常に重要です。
しかし、中には会社が給料を支払わないケースがみられることも。
もしそのようなことが起きた際は、会社に対して「内容証明郵便」を利用して未払い分の給料の請求をするのがおすすめです。

ですが、内容証明郵便には馴染みがない人も多いでしょう。
「実際に、どのような文面にしたら良いの?」というふうに、右も左もわからないのも無理ありません。また、未払い分の給料を請求をする際は、そのタイミングが在職中か退職後かによって書くべき文面が変わります。そこを正しく理解しておかなければ効率的に請求手続きも進められません。

本記事では、会社に未払い分の給料を請求する場合の内容証明郵便の文面について解説します。テンプレートも掲載しているのでぜひ参考にしてください。

内容証明郵便で未払い分の賃金を請求する際の文例

では、未払い分の賃金を請求する際の内容証明郵便の書き方を、勤務中・退職後の場合に分けて解説します。

勤務中の場合

前略  
私は、△△年〇月✕日、貴社に入社して、現在に至るまで勤務しています。その間、私は所定時間の労働をした一方、いまでも〇〇年〇月分~□□年○月分までの期間分の所定賃金(実際の金額)円をお支払いしてもらえてない状況です。

そこで、私は貴社に対し、上記未払いの賃金(実際の金額)円(〇〇年〇月分~□□年○月分までの間の所定賃金)のお支払いを請求します。

つきましては、上記未払い賃金(実際の金額)円及びこれに対する〇〇年〇〇月〇〇日から支払い済みまで年6%の割合による遅延損害金を、本書到着後1週間以内に下記口座に送金する方法にて、お支払いください。

もし上記期日までに未払い賃金のお支払いが確認できなかった場合は、労働基準監督署へ申告し、労働審判や労働訴訟等より厳格な法的措置も検討する可能性がある点をご理解ください。 
草々

A銀行B支店 普通預金
口座番号 1234567
口座名義人 〇〇 〇〇

退職後の場合

私こと〇〇〇〇は、△△年△△月△△日、貴社に入社して、✕✕年〇〇月〇〇日に退職しました。
私は、上記期間において、貴社で所定時間の労働を行いましたが、現在に至るまで〇〇年〇月分から〇〇年〇月分までの所定賃金(実際の金額)円のお支払いが確認できておりません。

私は貴社に対し、上記未払賃金(実際の金額)円のお支払いを請求します。
つきましては(実際の金額)円及び退職日までの年6%の割合による遅延損害金ならびに(実際の金額)円に対する退職日の翌日である平成〇〇年〇〇月〇〇日から支払済みまで年14.6%の割合による遅延損害金を本書到着後から10日以内に、下記の銀行口座へ送金する方法でお支払いください。

もし、上記期日までにお支払いが確認できなかった場合は労働基準監督署への申告ならびに労働審判や労働訴訟、刑事告訴等なおのこと厳正な法的手続きへ移行する予定であることをご了承ください。

A銀行B支店 普通預金
口座番号 1234567
口座名義人 〇〇 〇〇

未払賃金を請求する内容証明を作る際に押さえるべきこと

冒頭でも述べたように、会社に未払い賃金を請求する場合、在職中か退職後かにより内容証明郵便に書くべき内容が異なります。
在職中であれば勤務期間に関しては「現在に至るまで」として、退職後の場合は「△△年〇月✕日に退職した」と書きます。

また、給与未払いの期間についての情報も重要です。
「未払い賃金」と記載しただけではいくらの金額が未払いかが明確ではありません。そして、単に合計金額のみを書いても、相手はその根拠がわからないでしょう。
なお、会社との労働契約が存在することや所定時間に労働をしたことも、賃金発生の要件であるためきちんと記載しましょう。

そして、未払い賃金を請求する際は、遅延損害金を請求できます。

退職日までは、年5%または6%です。
勤め先が営利企業・営業する個人事業主の場合は年6%で、学校法人や医療法人等は年5%となります。

退職後の遅延損害金利率は、年14.6%です。
これらの内容は「賃金の支払の確保等に関する法律」の6条1項に掲載されています。
退職後に未払い賃金を請求する場合は、2種類の遅延損害金が生じるのでそのことを相手がわかるように記載しましょう。

また、賃金未払いは「労働基準法違反」としての罰則もあるため、刑事告訴もできます。
誠意を持って対応してもらうためにも、そのことも文書に盛り込んでおくのも手です。相手にある程度のプレッシャーをかけるのも必要であると判断する場合は、ぜひそのようにしてください。

内容証明郵便を使って未払い給料の請求をすれば、相手は慌てて支払いに応じる可能性も高いです。
二者間の交渉では話がまとまらず解決しない場合は、訴訟に踏み切ることになります。
訴訟を起こした際も、内容証明郵便を利用した請求書は証拠として活用できます。

さらに、内容証明郵便は未払いの「残業代」を請求するときにも有効です。
残業代も賃金に含まれるので、内容証明郵便の書き方は先述した内容と基本的に変わりありません。
ただし、残業代を計算する際は「割増賃金」も加算されます。したがって、割増率を加算して未払いの金額を計算することを覚えておくと良いでしょう。

未払い賃金の請求を確実に行うには弁護士に相談を

本記事では、内容証明郵便を利用した、未払い賃金の請求方法について解説しました。
本来支払ってもらうべき給料の未払いは、本来あってはなりません。また、個人やその家族の生活へ大いに悪影響を与えます。

内容証明郵便を活用して未払い分の賃金を請求することは、相手に心理的プレッシャーを与えることが可能なため、すぐ対応してもらえることも期待できます。
決して泣き寝入りはせずに、内容証明郵便を活用して未払い分の賃金は支払ってもらいましょう。

もしこれらの手続きに自信がなければ弁護士に相談するのも選択肢となります。法律の専門家である弁護士にサポートを依頼すれば、安心して手続きを進められます。

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