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こんな会社は危ない!「ブラック企業」の特徴と見抜き方

更新日:2024年09月20日
こんな会社は危ない!「ブラック企業」の特徴と見抜き方のアイキャッチ

規定時間を超えた過酷な長時間労働、劣悪な職場環境、残業代の未払い等、ブラックと呼ばれる企業は、現在もなお、多く存在しています。そして昨今では、会社に不信感を持った労働者の内部告発により、悲惨なブラック企業の実態が、徐々に明るみに出るようになりました。

 しかし、「ブラック企業」の定義は、具体的な数字の基準がないため、曖昧です。
そこで今回は、いわゆるブラック企業といわれる会社によく見られる特徴と、それを見抜く方法についてご説明させていただきます。

ブラック企業とは

 「ブラック企業」は、労働者に劣悪な労働環境を強いる企業を表すワードとして、近年使われるようになりました。
2012年からは、「ブラック企業大賞」という、ブラック企業の頂点を決める不名誉な企画が、毎年行われています。ランキング方式で会社名が発表されるため、どこの企業がブラック企業とされているのかを知ることが出来るのです。

ブラック企業の特徴

 「ブラック企業大賞」を受賞した会社の選抜理由を見てお分かるになられるかと思いますが、ブラック企業は、労働者に対して劣悪な労働環境を強いるといった特徴があります。
 一歩踏み込んで具体的な特徴を以下にお伝えします。

【特徴①】過労死ラインを超えた長時間労働

 厚生労働省では、長時間の残業によって健康障害が起こりやすい残業時間数を定めています。これを、過労死ラインといいます。
過労死ラインの月80時間を超える残業を強いられているようであれば、ブラック企業といえるでしょう。過労死ラインを超える労働が6ヶ月続き、死亡した場合に過労死との関連性が強いとされています。

過労死ラインについては、こちらで詳しく説明しています。

【特徴②】残業代が出ない

 ブラック企業では、労働時間に見合った給与が出ない場合が多いです。みなし残業制や裁量労働制、名ばかり管理職等で残業代を支払わないように誤魔化す会社も中にはあります。

 また、定時に強制的にタイムカードを切らせて、記録上は残業したことにしない会社も少なくありません。

【特徴③】給与が最低時給を下回る

 各都道府県では、時給換算された最低時給額が決まっています。企業は、最低時給額を上回る給与額を設定しなければなりません。
 しかし、ブラック企業では最低時給額を下回る給与額にしているケースもあります。

【特徴④】昇給しない

 日本経済団体連合会が発表した「労使交渉の集計結果」によると、企業の昇給率は
平均2~3%程度とされています。
 しかし、昇給ゼロ、または限りなくそれに近い状態が、数年続くようであればブラック企業かもしれません。

【特徴⑤】休日日数が少ない

 ブラック企業の特徴に「休日が少ない」ということが挙げられます。平均的な年間休日日数は120日前後ですが、ブラック企業では100日以下といったように大きく下回っています。
ブラック企業では、1人当たりの業務量が多く休日も出勤せざるを得ない傾向にあり、それが休日日数の減少に繋がっているのです。

【特徴⑥】有給休暇を取得出来ない

 ブラック企業では、休日だけでなく有給休暇の取得もままなりません。有給休暇を取得しようとする労働者に対し、ブラック企業は拒否をする傾向にあります。
 事実上、有給休暇の取得が不可能になっているのです。

【特徴⑦】休日に呼び出される

 ブラック企業では、休日でも上司に電話で呼び出されて仕事をさせられる等も珍しくありません。労働者を一人間としてではなく、利益を上げるためにコマとして扱っている姿勢が見えると言えるのではないでしょうか。

【特徴⑧】冠婚葬祭に出られない

 冠婚葬祭で休むことも出来ないのがブラック企業の特徴でもあります。確かに、法律では冠婚葬祭の場合は、休まなければならないという規定はありません。しかし、ブラック企業では、冠婚葬祭は休ませてあげよう、という社員への思いやりに欠けている傾向にあります。

【特徴⑨】離職率が高い

 過労死ラインを超えた労働を強いられたり残業代が出なかったりすれば、当然、労働者は離れていきます。それが離職率の増加に繋がっていきます。離職率の高さがブラック企業である可能性が高いことを間接的に示しているのです。
 一般的には、入社後3年以内に離職した労働者の割合が30%を越えていれば、ブラック企業と見なされる可能性が高いと考えられています。

【特徴⑩】精神疾患の労働者が多い

 長時間労働による身体的ストレスが重なると、うつ病等の精神疾患になる可能性があります。そのため、精神疾患が理由で退職者が多い場合も、非常にブラックに近いでしょう。

【特徴⑪】自殺者や過労死する人が出ている

 精神疾患に留まらず、それによって苦境に立たされた従業員が自殺したり過労死したりするのもブラック企業の特徴です。
 自殺者や過労死した人の多くは、毎月の残業時間が200時間を超える過重労働を強いられています。

【特徴⑫】パワハラ・セクハラの常態化

 上司の権力を悪用して理不尽な要求をするパワハラや、異性に性的な嫌がらせをするセクハラが、まかり通っている職場があります。このような職場もブラック企業の特徴の1つです。

■パワハラ例
「出来ないなら残ってやれ」
「目標売上に届かなければお前のせいだから給料をカットする」

■セクハラ例
「〇〇さんって彼氏(彼女)いるの?」
「〇〇さんは今夜何するの~?」

【特徴⑬】精神論を強調する

 「気合いがあれば乗り越えられる」「みんなでやれば、必ず出来る」「願いは叶う」等、精神論をスローガンに掲げる企業は、ブラック企業の可能性が高いです。
 実は、精神論の裏には強い要求が込められているのです。以下に例を挙げます。

「やれば出来るんだからやろう!」→グダグダ言わずに早くやれ!
「感謝の心を忘れないで!」→会社に不平不満を言うんじゃない!
「僕等は仲間だ!」→仲間に損得勘定を持ち込むな!

【特徴⑭】無理なノルマを課せられる

 ブラック企業は社員を仕事道具のように扱う傾向にあります。1人当たりの仕事量を大きく上回る無理なノルマを課すことも珍しくありません。
 ノルマ未達成に対するペナルティがあったり、成績によって給料が大きく変化したりする場合は、悪質です。

【特徴⑮】上司や社長に絶対服従

 ブラック企業は体育会系が多く、上下関係に厳しいのも特徴です。それゆえ、上司や社長からの命令に対し絶対服従をさせられる傾向にあります。
 無論、目上の人を敬う気持ちは大切ですが、行き過ぎた姿勢はパワハラ等の原因になります。

【特徴⑯】社長がワンマン経営

 社長がワンマン経営をしている会社もブラック企業に傾向があります。社長のワンマン経営の場合、社内に異論を唱える者がいなくなり、独裁経営が行われ、以下のようなことが蔓延していきます。

・理不尽に叱られる
・社長が手柄を独占する
・社長に気に入られた社員は極端に優遇される
・社長の失態は部下に押しつけられる
・「出来ないなら辞めろ」等の精神的圧力をかけられる

【特徴⑰】書類管理がずさん

 会社には様々な重要書類が保管されています。顧客情報や取引先の情報等の機密書類は厳重に管理しなければなりません。
 しかし、ブラック企業の場合、機密書類が誰の目にも触れるような場所に置いてあったり、他の文書に紛れていたりと管理がずさんな傾向にあります。

【特徴⑱】雇用契約書を発行しない

 労働基準法では、労使間(労働者と会社の間)で労働条件等を明記した雇用契約書を交わさなければならない、という内容の規定があります。
 しかし、ブラック企業では雇用契約書が交わされていないのが往々にしてあります。

 雇用契約書を交わしていると、契約と異なる仕事を命令された場合に、労働者は「契約と異なるからそれは出来ません」と断ることが出来ます。しかし、雇用契約書を交わしていないと、どのような労働契約を交わしているのかを労働者が把握していないため、断ることが出来ません。

 そのため、労働者の立場は弱くなり、過重労働等を課せられやすい状況になるのです。雇用契約書の無発行は、企業の立場を優位にさせるのです。

【特徴⑲】違法な雇用契約

ブラック企業では、聞き慣れない雇用契約が交わされることが少なくありません。例えば、「管理職に残業代は発生しない」「残業代は給与に含まれている」「1日の所定労働時間は10時間」といったように、残業代の支払いから免れた違法な労働契約を交わしているケースがあるのです。

【特徴⑳】就業規則等のルールが整っていない

 就業規則とは、労使間で設けられた様々なルールのことをいいます。労働基準法第89条では、10人以上の従業員を雇用している会社の場合、就業規則の作成が義務になっています。就業規則は労働者の権利を守る側面があります。
 しかし、それがないと会社側の立場が強くなり、ブラック企業になる傾向にあるのです。

【特徴㉑】アルバイトの比率が高い

 全従業員の人数に対して、アルバイトの比率が非常に高い会社はブラック企業の可能性が考えられます。そのような企業は、安い賃金で責任ある仕事を、労働者に押し付けている可能性があります。アルバイトが多い職場が全てブラックとは限りませんが、そうしたケースがあることは、心に留めておきましょう。

【特徴㉒】若手が少ない

 全出の通りブラック企業は離職率が高い傾向にあります。そのため勤続年数が浅いうちに辞めてしまう社員が続出します。結果、若手社員が少なくなるのです。

【特徴㉓】試用期間が長い

 入社後、社員に対し一定の試用期間を設けている会社も多いです。ブラック企業は、この試用期間を意図的に長くしているという特徴があります。というのも、試用期間中は人件費を安く抑えられるメリットがあるためです。

【特徴㉔】短期間で管理職

 また、入社してから短期間で管理職になる傾向があります。これは、前述の若手が少ないというブラック企業の特徴が背景にまっています。

【特徴㉕】退職させない

 入社するとなかなか辞めさせてもらえないというのもブラック企業の特徴です。例えば、「辞めたら損害賠償請求する」等と脅し、辞めさせないのがよくある手口です。

【特徴㉖】利益を上げられない社員を退職を促す

 ブラック企業は、とかく利益第一主義です。利益を上げられない社員に対しては、過酷なノルマを与えて退職を促すことも珍しくありません。

【特徴㉗】自社製品を自腹で購入させられる

 また、ノルマを達成出来ない従業員に対しては、自腹で会社の製品を購入させて利益の貢献してもらおうとするブラック企業も存在します。
 例えば、アパレルのメーカー会社では自社製品の購入を強いられたり、保険会社ではノルマ未達成分を給与から引く事実上の自腹購入をさせられたり等が挙げられます。

【特徴㉘】必要備品は自腹

 移動費や出張宿泊費等、業務上どうしてもかかってしまう費用が、経費で落とすことが出来ず自腹の場合は、経理回りがアバウトなブラック企業と呼べます。

【特徴㉙】テープを回していないか確認する

 社内で重要事項を決定する際や、上層部が社員を叱責する際に「テープを回していないか?」と確認するようなブラック企業もあるようです。ブラック企業は自社が法的に不当な行為をしている自覚がある傾向にあります。
そのため、会社はテープにとられる等の不利になる証拠を残されることを危惧するのです。

【特徴㉚】人間関係が良好ではない

 過酷な労働条件を強いられているブラック企業では、従業員が疲弊している等、どんよりとした雰囲気が漂っています。人間関係が良好ではなく、先輩や同僚に話かけづらいというケースも間々あります。

【特徴㉛】トイレに行くために許可が必要

 ブラック企業ではトイレに行くことさえも、上司の許可が必要なケースがあります。それだけ、ブラック企業は社員の自由を奪い、道具のように扱うのです。
また、飲み物を飲むことさえも許可が必要なケースがあります。水分は人間のとって必須です。にも関わらず、許可がないと飲めないのはもはや人扱いされていないと言えるでしょう。

【特徴㉜】同族経営

 同族経営の会社には、労働環境がよくないブラック企業が紛れています。特に、経営陣が全て同族の場合は要注意です。他の社員の意見は受け入れず、結局は創業者一族の意向だけで会社を運営しているような会社があります。

・同族経営とは
 特定の親族等が、支配・経営する組織のことで、「ファミリー企業」とも称されます。
法人税法の定義では、上位3株主の持ち株比率を合わせて50%を超える会社を「同族会社」と定義しているのです。この定義によれば、買収防衛策の一環で経営者が株式のほとんどを確保している一部大企業も、同族経営に該当することになります。

【特徴㉝】墓場部署があからさまに設置されている

 企業によっては、墓場部署というものがあります。これは、「そこの部署に異動になったら辞めなければいけない」と暗黙のルールで認識された部署のことです。
 一部のパワハラ上司が、墓場部署に異動させる権限があるような場合は、ブラック企業といえます。

【特徴㉞】皆やっている、先輩方もそうしてきたという風潮が強い

 理不尽なことを正そうとしても、「皆やっているんだから」「先輩もそうしてきたんだから」という根拠のない主張で押し通すような会社は、限りなくブラックに近いグレーでしょう。
例えば、有給休暇をとろうとしたときに、「みんな有給をとってないのだから、君も取るな」と言われるようなケースです。

【特徴㉟】採用基準が低い

従業員が辞めれば、もちろん人員が不足します。このような背景から、ブラック企業では、引き継ぎをきちんと済ませて真っ当な辞め方をする人も少なく、緊急で人材が必要になります。
学歴や経歴、資格などは必要とされないことがほとんどです。求職者をいちいちふるいにかける余裕が無いのです。採用基準は至ってシンプル「ウチの会社で耐えられるか」です。

【特徴㊱】上司の趣味に付き合わされる

 休日に、上司からゴルフ等の趣味に付き合わされるのもブラック企業のあるあるです。また、上司が飲み会を開催する際に部下全員が参加を強要されるケースもあります。

【特徴㊲】社会保険に加入させない

 一般的に、従業員は企業に勤めると社会保険に加入します。社会保険は、会社と従業員が折半で負担をします。
 しかし、負担を避けるために、社員が全額負担をする国民健康保険に加入させる会社が少なくありません。そのような企業はブラック企業の可能性が考えられます。

【特徴㊳】労働基準法を採用していない

 「うちは労働基準法を採用していないから」という理由で休日を与えなかったり、不当に残業させたりしている企業があることが、過去のSNSで話題になりました。
 そもそも労働基準法は、労働者の権利を保護するために定められた制度です。企業が労働基準法を採用するか否かの決裁権はありません。全ての労働者に労働基準法が該当するのです。
 労働基準法を採用していないことを理由に不当に残業をさせている企業はブラック企業の可能性があります。

【特徴㊴】始業1時間前出社を強要

 始業時間より少し早めに出社するのは当然ですが、ブラック企業では始業1時間前出社を強要するケースがあります。始業前に出社したとしても時間外手当が支給されることはありません。

【特徴㊵】社員を使い捨てにする

 ブラック企業では、社員を育てるのではなく、使い捨てにする傾向があります。労働環境が良くないことや離職率が高いことは、企業側も把握しているのでしょう。そのため、「社員を、在籍しているうちに使い倒す」という風潮があります。

【特徴㊶】洗脳型研修

 ブラック企業の研修は、社員を追い込む洗脳型研修を行う傾向にあります。
 例えば某有名会社が、新人研修で、24キロを4時間で歩くという歩行訓練を何度もやらされたことで障害が残った、という事件が挙げられます。
 他にも、路上で見ず知らずの人と名刺交換をさせたり、手当たり次第に飛び込み営業をさせたり等、根性を試すようなことが洗脳型研修に挙げられます。

ブラック企業の見抜き方

チェック

現在、就職活動中の方は、是が非でもブラック企業は避けたいと考えているでしょう。
 実は、「求人情報」「ネットの情報」「調査」「面接」からブラック企業を見抜くことが出来ます。
 それぞれ説明させていただきます。

求人情報から見抜く

 求人情報からブラック企業かどうかを読み取れることが出来ます。
 具体的に以下に挙げるポイントを見てみましょう。

【求人①】常に求人募集している

 常に求人募集をしている企業は、慢性的な人手不足に陥っていることが考えられます。それだけ離職率が高いということの裏返しになるため、ブラック企業の可能性が高まります。

【求人②】採用人数が異常に多い

 同業種・同職種と比較して、他の企業が2,3人の募集に対し、応募しようとする企業が10人募集している場合は、それだけ離職者が多いという裏返しかもしれません。採用人数が異常に多い企業はブラックの可能性があるでしょう。

【求人③】給与が相場より高い

 給与が相場より高い場合は、疑った方がよいです。なぜなら、いざその企業で働くことになった際に、ボーナスの支給なし、残業代込み、退職金の制度がないというケースがあり得るためです。

【求人④】基本給が異常に低い

 一方で、基本給が異常に低い場合も疑った方がよいでしょう。
例えば、基本給15万円+諸手当10万円の、合わせて月給25万円といったように、手当の割合が多ければ多いほど注意が必要です。
 
いざとなったとき、企業は手当を削ることが出来ます。そして、賞与の計算や退職金の計算等も全て基本給から行われることから、基本給が異常に安く設定されている場合は、気をつけた方がよいです。

【求人⑤】年間休日が105日以下

 厚生労働省が発表している「就労条件総合調査結果の概要」によれば、労働者1人あたりの年間休日の平均は、113.2日になります。すなわち、年間休日105日は少ないといえます。
求人情報で年間休日が少なく記載しているのであれば、休日が異様に少ないブラック企業かもしれません。

【求人⑥】精神論

 求人情報欄に「やる気のある人を求む」「情熱を持って仕事に取り組めます」といったように、「やる気」「情熱」等のメンタルワードが頻繁に使われている求人情報を掲載している企業はブラックの可能性があります。
 精神論で従業員を鼓舞して過酷な労働を強いる傾向にあるためです。

【求人⑦】アットホームを強調している

 「アットホームな職場です」というキャッチコピーを使用している企業はブラック企業のサインかもしれません。
 というのも、社内の規律が緩かったり、道理より無理が押し通ったりする雰囲気を「アット―ホーム」というプラスのワードに変換している可能性があるためです。
実際に働いてみると、所定労働時間を超えた労働が蔓延していたり、パワハラ等の非人道的な指示が上司から飛んできたりするケースが少なくありません。

【求人⑧】福利厚生や社食等の充実をアピールしている

 福利厚生や社食等の充実を過剰にアピールする企業も怪しいです。それらを隠れ蓑(かくれみの)に入社させ、過重労働を強いる算段である可能性は否定出来ません。

【求人⑨】仕事も遊びも全力投球

 「仕事も遊びも全力投球」と謳っている求人もブラック企業の可能性があります。その謳い文句からは、労働基準法に捉われることなく仕事に取り組んでいる姿勢が見て取れます。
いざ入社したら、全力投球という名の無理を強いられ、過重労働や到達出来そうにないノルマを課される可能性が考えられます。

【求人⑩】仲間と楽しく仕事が出来る

 「仲間と楽しく仕事が出来ます」と聞くと、一致団結した企業のように見えますが、実はそれでない可能性が考えられます。
 裏を返すと、福利厚生や待遇面、会社の安定・成長性等の魅力がないのかもしれません。仲間と楽しく仕事が出きることを売りに、人材を募っている可能性は考えられます。

ネットの情報から見抜く

 次いでネットの情報から見抜く方法を見ていきましょう。

【ネット①】口コミサイト

 すぐに出来ることとしては、応募した会社名で検索をかけて口コミを確認する方法があります。悪口や批評で荒れているような会社でしたら、ブラック企業かもしれません。

【ネット②】企業ホームページ

 企業のホームぺージからは様々な事実を読み取ることが出来ます。下記に挙げるものは、ブラック企業のホームぺージに散見される特徴です。

■事業内容が明記されていない
 ホームページに事業内容が明記されていない企業はブラックの可能性があります。ホームページの運営がままならないほど社内が雑多としていることが考えられます。

■若さを売りにしている
 「若い世代が活躍しています!」というような記載をよく見かけますが、これも要注意です。一見、働きやすそうな印象を受けますが、見方を変えれば長期的なキャリアを積んだ人が少ない可能性があります。創業から10年以上も経過しているにも関わらず、若い社員の割合が非常に高い場合は気をつけましょう。

■大きな目標を掲げている
 「〇〇業界で世界一を目指している」といったように、大きな目標を掲げている会社もブラックの可能性があります。というのも、大きな目標を見ている人は、上を目指しているだけに、肝心の足下で働く社員の状況が見えていない傾向にあるのです。
 そのため、社員が過重労働させられている可能性があります。

■ホームページがない
 零細企業は例外ですが、一定の規模を要する企業にも関わらずホームページがない場合は注意しましょう。情報を公にしたくない事情があるか、異常に経費の削減をしている可能性があります。

【ネット③】リサーチ

 リサーチする中で見つけることが可能です。その中で商品やサービスの安さを売りにしている企業はブラックの可能性が考えられます。
 商品やサービスが安価だと粗利益も少なくなります。それは、人件費の削減に影響し、社員の給与の圧迫にもつながります。

調査して見抜く

 ネットだけで見抜くことが難しい企業もあるかもしれません。その場合は、調査に出向きブラック企業かどうかを見抜くのも一手です。

【調査①】深夜も窓が明るい

 ブラック企業では、社員が深夜まで残業をしています。夜遅くに調査したい会社を外から観察をしてみてください。深夜になっても会社の照明が付いている場合は、社員が夜遅くまで残業をしている可能性があります。
その場合、長時間残業が常態化しているブラック企業の可能性が考えられます。

【調査②】近隣からの評判が悪い

 ブラック企業は近隣住民等からの評判が悪いということも大いに考えらえます。
 近隣準民に対して営業出来るような商品を扱っている企業に限られますが、ブラック企業は、何とかして利益を出そうと近隣住民に対し強引な営業を行う傾向にあります。それにより、迷惑を被っている近隣住民は少なくありません。

 また、ブラック企業は社内の雰囲気が殺伐としており、社員同士の中が悪い傾向にあります。その空気は社員の素行の悪さに繋がり、タバコの吸い殻が落ちていたり、ゴミが落ちていたり等があります。それにより近隣から煙たがれる可能性もあります。

 リサーチしたい会社の近隣住民から情報の聞き取りを行うのもブラック企業であるかどうかの一つの判断材料になるでしょう。

【調査③】夜遅くに電話しても出る

 実際に足を運ぶことではありませんが、調査したい会社に直接電話を架けてみるのも一手です。
 その際に、応対がよくないようであれば電話応対の教育が行き届いていないほど人不足になっている、という判断も出来ます。

 また、夜遅くや土日に電話を架けてみて応対するようであれば、残業時間が長かったり、土日出勤が常態化したりする可能性がある、という1つの判断材料になるでしょう。

面接で見抜く

 今度は、一歩進んで、面接を受けた時点で分かるブラック企業の特徴について、見ていきましょう。

【面接】社員の表情

 まず、企業に面接をしに行ったときに、社員に挨拶をする機会があるでしょう。この時に、相手の表情を確認してみてください。明るく挨拶を返してくれるようでしたら、社内の雰囲気や風通しもよいと捉えることが出来ます。しかし、無表情でボソッと挨拶をするようであれば、社内での人間関係や職場環境がよくない可能性があるでしょう。

【面接】オフィスの様子

 オフィスの様子も見てみましょう。オフィスが雑然としている、受付が汚れている等、外部からどう見られているかということに気を配れておらず、良い会社とは言い難いでしょう。人手不足の可能性が考えられます。

【面接】面接官の対応

 面接官が圧迫する態度をしている場合は注意が必要です。そのような企業では、入社にも圧迫する可能性があります。採用が決まったとしても入社の判断を慎重にした方がよいでしょう。

【面接】残業についての質問をしたときに、明確な回答がない

 残業のことを聞いたとき、「全くありません。」「発生しても月に3日以内」といった明確な回答がある場合は、比較的、その企業は残業が少ないです。
しかし、「時期によって多い時もある」「職種や担当プロジェクトによる」という、曖昧な答えが返ってくることもあります。この場合は、残業過多のブラック企業かもしれません。

【面接】いきなり採用

 一般的に面接から採用の連絡がくるまでには3日から1週間かかります。もし面接の時点で採用されるなど、面接から採用に至るまでが早いのは、裏を返せば、人員確保が急務になるほど人不足になっていると言えるでしょう。ブラックの可能性が考えられます。

ブラック企業マップ

 以上に挙げた、見抜き方の他にブラック企業を知る方法があります。それは、厚生労働省が公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」です。労働基準法違反で送検された企業を1,000社掲載しており、通称「ブラック企業マップ」と言われています。
 転職しようと考えている企業がブラック企業であるかどうかを調べるために、このブラック企業マップを見るのも一案です。

まとめ:会社からの不当な扱いでお悩みの方は弁護士へ相談を

過酷な労働を強いるブラック企業は多く存在します。転職を考えている方は、今回ご説明したブラック企業の見抜き方を元に、怪しい企業に近づかないようにすることをお勧めします。

とはいえ、勤めている会社がブラック企業に当てはまり、不当な扱いを受けて悩まれている方もいらっしゃるでしょう。

そこで頼りになるのが「弁護士」の存在です。

法律のプロである弁護士なら、個々の状況に合わせて相談に乗ってくれるだけでなく、労働上で起きやすいトラブルを未然に防いでくれます。

労働トラブルに詳しい弁護士に事前に相談しておくのがおすすめです。

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