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残業を立証出来る「パソコンのログ」とは?

更新日:2024年02月14日
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 会社に未払いの残業代を請求する場合、残業をしたことが分かる証拠を用意する必要があります。これは立証責任(確固たる証拠で物事を証明する責任)が請求者=労働者にあるためです。

 残業したことが分かる証拠として、タイムカードや勤怠システム等が挙げられます。しかし、ブラック企業等では勤怠の管理をしっかりしていない会社があるため、タイムカード等で残業を立証出来ないことが往々にしてあります。

そういった場合、他に残業を立証する手段として「パソコンのログ」に注目しましょう。
本記事では、「パソコンのログ」の取得方法をまとめました。

パソコンのログとは

 「パソコンのログ」とは、パソコンでどんなソフトを使ったのか、どのファイルを開いたのか等の情報が記録されたものを指します。また、Webサイトの閲覧履歴やパソコンの起動・シャットダウン時刻もログで記録することが出来ます。

残業を立証出来るようになった背景

とはいえ、なぜ起動時刻等が記録出来るパソコンのログが証拠としてなり得るのでしょうか。その理由は、以下のような過去の裁判で、パソコンのログが出退勤時刻の記録として認められた判決があったためです。

(東京地裁平成18年11月10日判決)
デスクワークをする人間が通常パソコンの立ち上げと立ち下げをするのは出勤と退勤の直前と直後であることを経験的に推測出来るので、他に客観的な時間管理資料がない以上、当該記録(パソコンのログ)を参照するのが相当…(以下略)

イベントのログを保存し、残業を証明する

 パソコンで仕事をする方が多く使っているWindowsには、OS自体やアプリケーション等を自動で記録する機能「イベントログ」があるのです。

 このログの中には、パソコンの起動時刻やシャットダウン時刻が記録されます。これによって出退勤時刻を証明出来るのです。

Windows7のログ取得方法

 Windows7の場合のログ取得方法は次の通りです。

➀「スタート」の中の「コンピューター」を右クリックし、「管理」を選択
②「コンピューターの管理」の中の「イベントビューアー」をダブルクリック
③「カスタムビュー」「アプリケーションとサービス」等に並んでいる「Windowsログ」をクリック
④「システム」を右クリックし、「すべてのイベントに名前をつけて保存」を選択
⑤保存場所を指定する
⑥「保存」ボタンを押すと「このログを別のコンピューターで正しく表示出来るようにするには、表示情報が必要な場合があります。」と表示されるため、「表示情報なし」を選択し、OKボタンで次に進む
⑦ログ保存の完了

Wicdows10のログ取得方法

 次にWindows10のログ取得手順です。

➀スタート(左下のウィンドマーク)を右クリックし、「イベントビューアー」を選択
②「windowsログ」の中の「システム」を右クリックし、「すべてのイベントに名前をつけて保存」を選択
③保存場所を指定する
④「保存」をすると「このログを別のコンピューターで正しく表示出来るようにするには、表示情報が必要な場合があります。」と表示されるため「表示情報なし」を選択
⑤「OK」をクリックする

Macでのログ取得方法

 WindowsだけでなくMacでもログを取得する方法があります。Macを使っている方は、以下のログ取得方法をご覧ください。

まず、「起動ディスク(Macintosh HD等)」→「アプリケーション」→「ユーティリティ」と移動し「ターミナル」を起動した後、以下のコマンドを入力することで、ログイン時刻とシステム終了時刻を取得出来ます。

・「last reboot」
システムを起動・再起動した時刻を表示

「last shutdown」
システムを終了した時刻を表示

「last」
システムにログインしたユーザーの使用時間を表示
※注 スリープはログインしたままの扱いになる

以上は、「ユーザーのログイン履歴を表示する」コマンドです。ログに残っている限り履歴を表示することが出来ます。

数字の意味を理解しておく

 取得したパソコンのログを見ると、日付・時間とともに4桁の数字が多く並んでいるのが分かります。
 この数字により、パソコンがどのような動作をしたかを把握することが出来ます。
パソコンの起動時刻・シャットダウン時刻は、以下のような4桁の数字で記録されますので理解しておきましょう。

・Windows7 
「6005」起動 
「6006」シャットダウン

・Windows10
「7001」起動(ログオン)
「7002」シャットダウン(ログオフ)

残業代に関する困りごとは弁護士へ相談を

会社が労働者の勤怠時間をしっかり管理していれば、パソコンのログは取得せずに済むでしょう。

しかし、ブラック企業と呼ばれる会社等では、意図的に労働者の勤怠時間を把握しないことがあります。

もしそのような会社で働いており、未払いの残業代請求を考えているのであれば、パソコンのログは残業をした証拠として有効に働くでしょう。

その際は、保存だけではなく、ログデータを自分のパソコンやUSBに忘れずに移しておいてください。

また、残業を立証する手段としては他にもいくつか挙げられます。それについてはこちらの記事「残業代請求をするために在籍中に出来る3つの準備」に詳しく説明をしているので、ぜひ参考にしてみてください。

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